盛り土材に使った鉄鋼スラグが膨張して家が傾く またフッ素、六価クロムなどの有害物質も検出 【大同特殊鋼渋川工場】 

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出された有害物質を含む鉄鋼スラグを巡り、新たな問題が浮上した。群馬県の宅地の盛り土に使われたスラグが雨水などで膨張し、家が傾く被害が起きている。国が同県長野原町で建設を進める八ッ場(やんば)ダムの住民移転代替地にもスラグは無許可で使われており、専門家は「スラグの宅地利用は危険が伴う」と警鐘を鳴らしている。【杉本修作、尾崎修二】

 スラグを宅地に利用したのは、同県榛東(しんとう)村山子田の建設会社社長(56)の木造2階建て住宅で、先代の父親(故人)が30年前に新築した。社長によると、父親の友人で渋川工場に勤める男性の紹介で、敷地を高くする盛り土材としてスラグを譲り受けた。約2000平方メートルの土地に3~5メートルほど盛ったという。

ところが10年ほど過ぎると外壁にひびが入り、戸口の建て付けが悪くなり始めた。さらに床が数カ所で数センチ隆起し、基礎のコンクリートにも大きな亀裂が生じ、母屋とコンクリート製縁側の間には十数センチの隙間(すきま)ができた。隆起やひび割れは今も進行しているという。

鉄鋼スラグのうち、特殊鋼の精製で排出されるものは「製鋼スラグ」と呼ばれ、これは水と反応して膨張する性質がある。道路で利用するスラグには日本工業規格(JIS)で膨張率に基準(1.5%以下)が設けられ、JIS策定委員を務めた長岡技術科学大の丸山暉彦名誉教授(道路工学)によると、スラグに機械で蒸気を掛けるなど膨張を抑える処置をしなければ、最大で10%以上膨張することがある。社長宅を視察した丸山氏は、スラグが原因とみて間違いないとしている。

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鉄鋼スラグについて

 スラグは種々の金属の精錬の際に生じるが、最も多く産出されているのが生産量の多い鉄の精錬由来のものである。その場合、特に製鉄スラグや鉄鋼スラグとも呼ばれる。非鉄金属、例えば銅やアルミニウムの精錬に際しても発生し、その場合、鍰(からみ)とも呼ばれる。

スラグの問題点
・スラグは重金属が含まれている場合があるため、再利用の用途によっては重金属含有量の把握である。例えば、建材試験センター規格の土工用製鋼スラグ砕石(JSTM H 8001)では、鉛・六価クロム・セレン・フッ素・ホウ素の溶出量基準と含有量基準が設けられている。スラグから重金属を取り除く技術も開発されてきている。  

・近代製鉄で発生する鉄鋼スラグは、カルシウムを大量に含有するために強い塩基性(アルカリ性)を示す。そのためにスラグを砕石として散布するなどのむき出しのままで使用する用途には適さない。強い皮膚刺激のために取り扱いには手袋が必須である。住宅地などで鉄鋼スラグがそのままの状態で使用され過去に問題となったことがある

出典: wikipedia